置き忘れた言葉達

ほんの少しでも残ればいい

2022-01-01から1年間の記事一覧

自我色

彼女はいつも黒 誰かを失った訳ではなく 彼女はいつも黒 誰に染まった訳じゃなく ただその色が好きなだけ 明るく振る舞う彼女は 夜が嫌い 闇が嫌い 輪郭を消し去る漆黒でも 自分でありたいと願うから 黒の中でひとり嗚咽する 彼女はいつも黒 誰かを失った訳…

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透けるように薄く スライスされた味気のない夢を 無理矢理頬張り 生きている

カラダからだ

悲しみ ミチル 喜び カケル 躰 からだ 怒り タエル 哀しみ フェル カラダ 空だ キエル 記憶 キエル 明日 カラダ空だ

祈り

僅でも 熱を帯びた言葉 風に乗せて 最短距離で届けよう 真っ白なキャンバス 彩るように ささやかな微笑み 安らぎ 君の眠る街に 君の眠る夜に

風化

あれから3年 君との10年を 僕は まだ堀り続けてる 煤けて化石になったソレを

初恋

汗ばむシャツ 駆け上がる坂道 公園横の電話ボックスが着地点 張り付いて離れない あの夏